森星霜
2020年12月1日火曜日
黒地図/立花腑楽
白身魚のフライを脇にどかす。
現れたのは黒色の平原で、そのうえをついついっと箸でなぞる。
しばし沈思黙考。
「北……だな。でかいシノギの気配がする」
見切り品の海苔弁から、一体全体、何を感得したのやら。
ホームレスの哲さんは、上野駅の雑踏へと消えていく。
次の投稿
前の投稿
ホーム