2026年8月15日土曜日

立花腑楽 作品掲載書籍・受賞歴 一覧

『てのひら怪談 : ビーケーワン怪談大賞傑作選』
ポプラ社 2007.2
「吉田爺」収録

『てのひら怪談 : ビーケーワン怪談大賞傑作選 2』
ポプラ社 2007.12
「夏の終わりに」収録

パラヴォリカ・ピス 
「吸血鬼/ヴァンパイア文学800・アート」賞 2007.12
「オカシラ様」幻想文学賞:東雅夫・選 受賞 

『てのひら怪談 : ビーケーワン怪談大賞傑作選 』(ポプラ文庫)
ポプラ社 2008.6
「吉田爺」収録

『てのひら怪談 : ビーケーワン怪談大賞傑作選 百怪繚乱篇』
ポプラ社 2008.6
「中有駅前商店街にて」「凋落」「鬼裂」収録

『てのひら怪談 己丑 : ビーケーワン怪談大賞傑作選』 (ポプラ文庫)
ポプラ社 2009.6
「鬼裂」「夏の終わりに」収録

『超短編の世界 vol.2』
創英社 2009.9

『てのひら怪談 庚寅 : ビーケーワン怪談大賞傑作選』 (ポプラ文庫)
ポプラ社 2010.6
「肉色の森」収録

『てのひら怪談 辛卯 : ビーケーワン怪談大賞傑作選』 (ポプラ文庫)
ポプラ社 2011.6
「天に還す」

『てのひら怪談 壬辰 : ビーケーワン怪談大賞傑作選』 (ポプラ文庫)
ポプラ社 2012.6
「水田に泣く」

『怪談短歌入門 : 怖いお話、うたいましょう』 (幽BOOKS)
メディアファクトリー 2013.9

有賀薫さん 『スープ・ファンタジー』朗読会
読むスープ 薫賞受賞 2014.4.12

サウンド超短編
「往生伝」 松本楽志賞・シライシケン賞 受賞
2019.4

東京スカイツリー天望回廊にて展示
点字物語「天の尺」~手すりで繋がる北斎の娘と私たち~
「螺旋高楼」
2019.11

珈琲の超短編
「Hello, world」タカスギシンタロ賞受賞
2020.8

『ふねたちの物語』掲載
『言葉の舟』刊行記念140字小説コンテスト優秀作作品集
2024.10

2026年7月30日木曜日

#夏の星々140字コンテスト「器」投稿作/立花腑楽

    葦船の中は保育器みたいに快適だった。
    それでも蛭子は父母に遺棄されたことが悲しくて、しくしく泣いた。
   やがて、船が大海に流れ着いたころ、蛭子は髭面の男神に拾われた。
   「お前も母がおらぬか。俺もだ」
   髭面がくしゃっと幼くなり、蛭子を抱いたまま海に向かってわんわん泣き出してしまった。

2026年7月29日水曜日

#夏の星々140字コンテスト「器」投稿作/立花腑楽

    まずは相手の力量を測る。薬に頼るかどうかはその後だ。
    薬は獏の消化器から抽出した酵素剤だ。悪夢を散らす効果がある。
    ただ、常習化すると生来の悪夢耐性が衰える。使うなら、ここ一番の強敵相手のときだけにしたい。
    今夜の悪夢は胡乱な子鬼だ。私は身構える。薬はまだポケットの中にある。

2026年4月30日木曜日

#春の星々140字小説コンテスト「布」投稿作 /立花腑楽

俺みたいな風説士は食っていけない世になった。風説の流布が禁止されたからだ。
かつての馴染み客に駄法螺を密売して糊口を凌いでいたが、最近は自棄になって「こんな世界終わっちまうよ」としか騙っていない。
客はうんざり顔で「また同じネタかよ」と文句を言うが、代金はきっちり払ってくれる。

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一次選考通過

2026年4月29日水曜日

#春の星々140字小説コンテスト「布」投稿作 /立花腑楽

サンキュとだけ言って、体育館に戻っていった。
慌てて呟いた「安静にしなきゃ」は、彼の背に追いつけなかった。
半分に切った湿布を手に、西日差す保健室に取り残される。じわじわ蝉が鳴く。あの青痣は確かこのあたりだったろうか。自分にも湿布の片割れを貼り付ける。冷たくて、ひゃっと声が出た。

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一次選考通過

2026年4月28日火曜日

#春の星々140字小説コンテスト「布」投稿作 /立花腑楽

 眠れなくて祖母の部屋に行く。彼女は魔女なので夜更かしなのだ。
「毛布をしばらく窓の外に掛けておくといい。月光浴が不十分で眠りの力が弱まってるのさ」
そんなおまじないより、一緒に寝て欲しいと訴える。
「いいから言う通りにやってみな。小さな魔女さん」
偉大な師匠は私の額にキスをする。

2026年1月30日金曜日

#冬の星々140字コンテスト「天」投稿作/立花腑楽

 水割りを作りながら「あたし昔は天女だったの」とママが言った。天人五衰の兆しがあり、それで潔く天界を飛び出してきたらしい。
酔客の一人が「羽衣着て店に立ちなよ」と茶化す。
「いやよ、年甲斐もなく浮かび上がったらどうすんのさ」
ママも客たちもけらけら笑い、儚い人界の一夜が更けていく。