仕事からの帰路、影踏み鬼から告白を受けた。
私の影は践み心地がとても素敵で、このままずっと踏んでいたいのだそうだ。
いいですよ。私の影、もう消えちゃいますけど。
そう答えて、間もなく沈みゆく夕日に目をやる。
背後の気配がぎゅっと凝り、やがて名残惜しげな溜息が私の首筋をくすぐった。
2025年10月31日金曜日
#秋の星々140字コンテスト「後」投稿作/立花腑楽
2025年10月30日木曜日
#秋の星々140字コンテスト「後」投稿作/立花腑楽
まだ若い僧侶だが、剃髪したての艶めかしい後頭部に「差押札」が貼られていた。
「前世からの罪業がついに贖いきれず、かような事態に」と、本人は一見しおらしくしているが、「まぁ拙僧は読経の声がいいので、この頭の功徳だけで十分お釣りがくるでしょう」とか言い出したので、何だこいつと思った。
2025年10月29日水曜日
#秋の星々140字コンテスト「後」投稿作/立花腑楽
星の子を孕んだと、宮女の一人が告白した。少し前、後宮の上空を流星群が通り過ぎた。その夜に過ちがあったという。
寛大な王は「天が授けた子は、朕の子も同然」と、彼女を大事にした。すると、その後になって、実は私もと言い出す女が跡を絶たず、やがて宮廷中に星の子らの産声が響くことになった。
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二次選考通過
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