生白い肌膚を切り開く。
溢れるのは血潮ではなく、虹色の光彩。
「相変わらずイカれた眺めだな。だが奇麗だ」
思ったことがそのまま口に出てしまった。
メスを手にしたまま、しばしその輝きに酔いしれる。
「そのような不躾な眺め様、神罰を蒙りますぞ」
「そんな霞がかったような口調で叱られてもなぁ」
俺はぐいっと傷口を押し開くと、存分に不躾な視線を送り込む。
「オーケー。いい塩梅だ。あんたの神様は順調にお育ちあそばされてるよ」
視界がさっと遮られた。
袴で傷口を隠したまま、螺鈿の巫女が俺をきっと睨んでいる。