カタカタとポケットから音がする。手を入れて、それをやさしく握ると静かになった。あっちには行くなと言っているのだろう。
骨神さんの入った袋はおじいちゃんにもらったままで、もうボロボロだ。おばあちゃんが作った巾着袋は、生前の骨神さんと同じような色、らしい。
穴が空くと骨神さんがこぼれてしまうから、そうなったら繕うか、作り直すしかないけれど、真新しい袋は嫌がるだろうな、と思う。匂いが変わるから。
骨神さんが行くなと言った先には、公園がある。たぶんタローが来ているのだろう。タローは生前の骨神さんと会ったことはないのに、すれ違えば絶対に吠える。骨神さんがポケットにいないときには、吠えない。
それに、長谷川さんはタローを引っ張るのと反対の手を必ずポケットに入れるのだ。長谷川さんのポケットにも骨神さんが入ってるに違いない。長谷川さんちも古い家だし。明日こそ、学校で聞いてみよう。