外法頭のされこうべが野晒しになっている。
骸だらけのこの野っ原で、それにしたって際立って大きなされこうべだった。
その無闇に大きな頭蓋には、みっちりと嬰兒が詰まっている。
野犬に襲われる心配もない。すくすくと育っている。
されこうべの眼窩を覗いてみると、その様子がよく分かる。
なぁ、お前さんの父親は誰なんだい。
かかか、とされこうべの顎が笑う。
眼窩のなかで、嬰兒の口角がにっと引き攣る。
そりゃあ言えないよ、何せ、やんごとなき御仁だからね。
そう答えたのは、どちらだったのだろう。
両眼窩に一粒づつの飴玉を放り込む。
からりころり、虚ろの中で飴玉を転がす音がしばらく響いたかとおもうと、
ああ、ああ、ありがたいことです。これでしばらくはややこも救われまする。
先ほどとは全く違う声色でお礼を言われ、私はすっかり混乱してしまった。