森星霜
2020年8月15日土曜日
兎さ晴らし/立花腑楽
兎と烏のロマンスがあったっていい。
玉兎たちは、一人の同胞のために道を開ける。
月から太陽まで一直線。
雲がすっかり晴れた夜空を、月の兎が走る。走る。
天蓋をぐるっと渡り、日輪に至る。
想い人の金鳥を抱きしめた瞬間、陰と陽とが交合する。
夜も昼もなく、世界はまっさらに晴れ渡り、白い獣毛と黒い羽毛だけがはらはらと舞い踊る。
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