2024年5月18日土曜日

言葉の舟 140字小説コンテスト(未投稿作)/立花腑楽

座礁船に添い寝する。擱座痕を撫ぜてやると、まだ痛むのか、くぅくぅと鳴いた。横抱きして、たっぷり乳を飲ませてやる。「次も船がいい? 鯨はいかが?」「蟹がいいです。浅瀬暮らしも悪くなさそうだ」蟹ね、わかったわ。私は笑って、きつく小さく、その船を抱きしめた。