2024年10月30日水曜日

#秋の星々140字小説コンテスト 「長」投稿作/立花腑楽 

 御厨子の中に、異形の即身仏がある。矮躯に載った頭蓋が、異様に縦に長い。
「福禄寿の仏さんやと、檀家たちは有難がっとりますが」と管理者の住職は言った。
「この外法頭、実はいまだに伸びよるんですよ」
声を潜めながら御厨子を揺すると、その長頭からひどく生々しい水音がぼちゃぼちゃ響いた。